2025年6月――
約30年ぶりに劇場用2Dアニメとして帰ってきた『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE 不死身の血族』。
ファン待望の新作に、胸を躍らせた方も多いのではないでしょうか。
私も幼い頃からルパン三世が大好きで、平日の夕方や日曜のお昼の再放送を、ワクワクしながら見ていました。
さて、ルパン三世といえば欠かせないのが、あの謎多き美女・峰不二子。
そんな“峰不二子”が、実は宝塚に住んでいたってご存じでしたか?
……といっても、アニメの中の峰不二子ではありません。
長年、峰不二子の声を担当していた声優・増山江威子さんのことです。
増山さんは、ルパン三世のほかにも、『キューティーハニー』の如月ハニーや『天才バカボン』のバカボンのママ役などで知られる国民的声優。
実は彼女、根っからの宝塚ファンなんです。
姉たちに連れられ3歳の頃から観劇し始め、中学生のころには本格的に宝塚の舞台に魅了されていったそう。
1つの公演を4〜5回も観るほどの熱の入れようだったとか。
声優として活躍するようになってからは、ルパンファンのタカラジェンヌたちと親交を深め、ご自宅に食事に招いたことも。
「タカラジェンヌのママ」と呼ばれ、生徒さんたちに手作りのカレーを振る舞うこともあったそうです。
多いときは、なんと13人もの生徒さんが一度に訪れたとか!
宝塚への愛が止まらず、ついに東京からお引っ越し
そんな宝塚ファンの増山江威子さんですが、タカラヅカ愛が高じて、増山さんはついに東京・富ヶ谷から宝塚へと引っ越します。
新居はなんと、宝塚大劇場の向かいにあるマンション。
具体的なマンション名は不明ですが、宝塚大劇場の真ん前のマンションとのことで、「花のみちセルカ」にあるマンションかもしれません。
ちなみにこのお部屋を紹介したのが、宝塚歌劇団専科の汝鳥伶(なとりれい)さん。
ファンの間では“ゆーちゃんさん”の愛称で親しまれている名バイプレーヤーです。
汝鳥さんは1971年入団の57期生。
月組組長を経て専科へ異動し、現在もコメディから威厳ある役まで幅広くこなす実力派。
その汝鳥さんが紹介してから、わずか2ヶ月後には増山さんは宝塚への移住を決意。
新居は4LDKの広々としたお部屋だったそうです。
旦那さまと一緒に観劇を楽しむ日々――
その穏やかで優雅な暮らしが目に浮かびますね。
現役トップスターへのエールも
2023年10月10日に配信されたラジオ番組『サンフリ大衆EX 番外編「増山江威子さんと話はつきないタカラヅカの巻」』では、増山さんの宝塚への深い愛情が存分に語られていました。
特に印象的だったのが、星組トップスター・礼真琴さんへの言葉。
「ダンス・歌・お芝居、三拍子そろった素晴らしいトップさん」と、絶賛されていました(該当部分は9分50秒ごろ〜)。
また、「実は昔、宝塚を受験したかったの」と明かす場面も。
中学卒業後に諸事情で断念したものの、その思いは今も変わらず。
『ベルサイユのばら』や『エリザベート』といった名作の話になると、アシスタントの汾陽麻衣目さんと楽しそうに語っていたのが印象的でした。
ちなみに『エリザベート』の演出家・小池修一郎先生とは個人的なお友達だそうで、「すぐ連絡をくれる間柄」なんてエピソードも飛び出しました(13分20秒ごろ〜)。
リンク:『サンフリ大衆EX 番外編「増山江威子さんと話はつきないタカラヅカの巻」』
“本物”の宝塚ファン、増山江威子さん
声優としてだけでなく、1人の“宝塚ファン”として、深い絆を築いてきた増山江威子さん。
その語り口の一つ一つから、まっすぐで真剣な「宝塚愛」がひしひしと伝わってきます。
まさか峰不二子が――いや、“峰不二子の声”が、宝塚の街で暮らしていたとは驚きですね。
ルパンの世界と宝塚が、思わぬところでつながっていたエピソードでした。
そんな増山江威子さんですが――
2024年(令和6年)5月20日、肺炎のためご逝去されました。
享年88。
峰不二子の声として、数々の名作を彩ってきた彼女。
そして、宝塚歌劇への熱い思いを貫いた彼女の存在は、多くのファンの心に今も深く刻まれています。
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